バスクダービーを前にして
ピカソの「ゲルニカ」という絵を見ている。恐怖と混乱を感じさせられるこの絵は、人間の人間に対する残酷さが描かれている。
1937年、ナチス・ドイツとファシスト・イタリアは、スペイン政府と戦うフランコ将軍と国家支援反乱軍を支援した。そしてドイツ空軍によって、北スペイン、バスク地方の小さな古都「ゲルニカ」が襲撃を受けた。2000人もの人が虐殺されたそうである。しかし国家主義者もナチスも自分たちの責任を否定しバスク人たちに罪をなすりつけた。
パリ万国博に出品する絵をスペイン共和国政府から依頼されていたピカソ、共和国側への共感、ファシズム側への反感をどう描くかを模索していた時に起きた事件であったらしい。
そう思って見ているとこの絵ほどキュビスムという様式が効果的である絵はないのでは?と思えてくる。色もなく、動きもなく、ただギザギザした感じが見る者に不安と恐怖感を与える。
スペインの内戦はフランコ側の勝利となり、『ゲルニカ』はスペインへ持ち込まれる事はなく、長い間ニューヨークの近代美術館に展示されていたのだそうです。そしてようやく、1981年にスペインに返される事になる。その時、バスクでは『ゲルニカ』を『ゲルニカ』に置くことを求めたらしいが、結局マドリードのプラド美術館に置かれる事になったらしい。